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057 058 新しいことを成し遂げるには
2019/12/16/(月)
057 頼らないということは、自由ということなのです。他に頼るのではなく、自分に頼るのです。
058 何もないからできないと考えていては、新しいことなどできるわけがありません。と稲盛さんは言われます。
この章は、今までの言葉に比べて異論があります。自分を頼る。自分を拠り所とすると言われますが、自分の何、自分のどこを頼りにするのでしょうか。
医師としての考えでは、自分という意識を生じる脳も、生命力や本能をつかさどる脳幹、情動を司る辺縁系と基底核、知性を司る大脳新皮質と三層となって構成されています。これは一台の車に運転手が三人、ハンドル、アクセル、ブレーキも三つあるようなもので、三者が一致すれば車は目的地へ早く達するのですが、これがなかなか難しい。一言でいうと煩悩という根本的阻害を有しているのが人間なのです。ではこの煩悩を理性で抑えることができるのかというと、ある程度までは可能ですが、自分の理性で自分の煩悩を抑えることは、自分の内でせめぎあいを生じてその葛藤のストレスは病気の原因となります。
ではどうしたらよいのでしょうか。
本書に何度も出てくる利他を大きくすることにより利己を減らしていく、さらに利他を大きく大きくして神という意識に近づくしかないのではと考えられてくるのです。
Y.H.C.矢山クリニックの今朝の輪読より(書籍:稲盛和夫著 魂の言葉108)