医療法人山桃 矢山クリニック

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死にゆくプロセス五段階

2016/02/17/(水)

 読者のあなた様、しばらくでした。

 医師としての仕事に追われて、時間と精神的、脳的余力がなくて間が空いてしまいました。

 一月もあっという間に過ぎてしまい、二月も中旬。どうしてこんなに年月の経つのは速いのでしょうか。

 現在九十七歳になる母親がY.H.C.矢山クリニックに入院しています。病名は、⒈心不全 ⒉脳梗塞による歩行困難 ⒊老衰です。外科医として癌でなくなる方は数多く見送ってきました。しかし老衰でなくなろうとしている人は研修医の時に少し診療しただけです。

 毎日、母のベットサイドに行って少し話をします。人の死にゆく過程をつぶさに見ています。

 エリザベス・キューブラー・ロスが「死のプロセス」という過程を明らかにしました。これには、⒈否定 ⒉怒り ⒊取引 ⒋抑うつ ⒌受容の五段階が言われています。これも行ったり戻ったりしながら進んでいくのが実際とのこと。母を看ながらこのプロセスを考えています。そして和歌にしてみました。


    ・嘘でしょう なんで私が死ぬなんて

    「否定」   「怒り」

   なんとかしたい 何かにすがり

      「取引」

    ・もうだめか 励ましなんて聞く気ない

      「抑うつ」

     あの世にいく日 誰にもくるさ

    「受容」

 

 先日天外伺朗さんとこの話をしていたら、「キューブラー・ロスは自分が死ぬときは、グチャグチャに混乱したらしいんだよなー」と言われていました。そこで私は、「キューブラー・ロスの五段階の先に『悟り』を置かなければなりませんねー」と話しました。そうなると天外さんが提唱されている「マハーサマディ」になってきます。「マハーサマディ」に入るにはどうすればよいのでしょうか。少しずつ考えていきます。(つづく)