記事詳細
舩井幸雄先生の思い出4
2017/06/05/(月)
「コツ」については、「天地自然の理」にかなった有効性の高い方法、その様な方法の精髄と理解することが可能です。何かを行う時「コツ」を知っているか、知らないかで成果は大きく違ってくるでしょう。
しかし「ツキ」については、そのような現象はあるかもしれないが、論理的には説明しにくい、偶然にすぎないと言われればそれまでのような気がします。でも舩井先生は大まじめに「ツキ」について説かれています。
「ツキを呼び込むには、
1.現状で『ツク』状況にする
2. 次に『ツク』ものをつくる
3. 『ツキ管理』をしてツキを落とさない」
先生がご存命のときに「ツキ」についてもっと詳しく教えてもらっておけばよかったと悔やまれますが「ツキ」について深く考えるだけの認識の力がまだなかったので興味もそれほどなかったのかもしれません。
舩井先生は漢字ではなくカタカナで「ツキ」と書かれています。一般表現では、運がめぐるとか、力や能力がつく意味、また人や世の中の動きを支配する、人知、人力の及ばないなりゆき、まわり合わせを意味しているように思います。前述したように医師は論理的に思考すべきと教育されていますので、「ツキ」を期待して仕事をするようにはなっていません。
論理的思考は科学の基本です。これは因果律をその大前提に置いています。つまりある原因があるから対応する結果が生じる、その通りです。となります。しかしユングは意味のある偶然を「共時性」と名づけて新しい世界の見かたを提案しました。
天外伺朗さんに教えてもらった考えをもとに説明すると、ニュートンの提示する世界は因果律が成立する世界ですが、量子力学では素粒子の動きには因果律が破綻している部分があると言われています。ユングは量子論をつくった物理学者の一人であるパウリと共同で因果律を越えた共時律による科学を考えていたようですが、それは成功していません。バイオレゾナンス医学会全国大会では天外伺朗さんがこのあたりについて詳しく話をしてくれると期待しています。
「ツキ」という現象を論理的に考えると、このようにややこしいい話になりますが、生き方として「ツク」にはどうすればよいのかを舩井先生は教えてくれました。(続く)