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舩井幸雄先生の思い出26
2017/07/13/(木)
マクロの視点から見て、発想しよう
この言葉は、ほんとに耳に胼胝(タコ)ができるほど聞きましたが、なかなか自分のものにはなりませんでした。それは医師という職業が症状と画像検査と血液検査の情報をもとに診断し、診断が決まれば治療は「標準治療」と名づけられたマニュアルに沿って行うことになっていることが理由なのです。この情報処理のプロセスにはマクロの視点から見るという発想はありません。病気をマクロの視点で見るとライフスタイルの中に問題はないかという視点が浮かんできます。そして病気の原因が体に入るきっかけが潜んでいないかを診察の中でさぐっていくのです。「あなたは、自分の病気がどうして生じたのか考えたことがありますか」と質問すると、様々な反応が返ってきます。
1. ムッと不快そうな顔をして、そんなことがわかれば医者はいらないんじゃないかと言う、又はそんな態度になる人
2. キョトンとして、そんなことは考えたこともないという態度の人
3. 考えたけれどわかりませんという人
4. 親が同じ病気だったので遺伝でしょうという人
5. 体に無理をかけていたからだと思いますという人
6. 私は定期検診もするし、食物にも気をつけているし、よいサプリもとっているので、病気になるハズがないのですという人
7. 心配なことが続いていたかもしれませんという人
読者のみなさんはどうお答えになりますか。
マクロの視点から見るとは、時間と空間の視点を広げることです。医学的な知識は医者ほどなくても原因を推定することができます。そうすると病気の治し方、もう病気にならない方法、さらに健康になる方法が見えてきます。クリニックで患者さんに伝えているノウハウのエッセンスを次回述べていきます。